2015.10.19
抜歯と非抜歯(抜歯しない)の、どちらの矯正治療が良いのでしょうか?
歯の守護聖人「アポロニア」 マルメ大歯学部(スウェーデン)にて
スウェーデン矯正歯科に相談にいらっしゃる患者さんもほぼ全員質問されます。私(石川)も4本の歯を抜いて矯正治療を受けましたが、抜歯はできれば避けたいと悩んでおりました・・・
結論から申しますと、「抜く必要がなければ抜かない。でも必要なら抜歯せざるを得ない」です。実は、この論争は1900年代前半からされている、言わば「永遠のテーマ」です・・・
そこで、非抜歯治療ができる症例をズバリお伝えしていきたいと思います。今後、数回に分けて、イラストを使って分かりやすく説明したいと思いますので、皆さんの参考になれば嬉しいです!
コラム 「抜歯vs非抜歯の歴史」
1900年代初め、現代矯正治療の父であるAngle先生は、非抜歯治療を推奨しておりました。しかし、治療後に、口元が前にとがったりや歯並びの後戻りが問題になる症例がありました。
そこで、「抜歯治療の方が良いケースがある」という考えをCase先生らが唱え、1911年に大論争になりました。そしてAngle先生の死後、Angle最後の弟子であるTweed先生が「抜歯治療の有益性」を発表し、以後、矯正の治療方法にいろいろな考え方が現れました。
これが、抜歯・非抜歯をめぐる「混乱」の原点なのです。
【抜歯と非抜歯、どちらが良い治療?(第2回)はこちら】