2016.03.24
春休みの季節になりました。お子様の矯正相談が多くなる季節です。
日本経済新聞に掲載されたためか(詳しくみる)、銀座にある当院でも、お子様の矯正相談をいつにも増してお受けしております。
成長期のお子様には、矯正治療が必要な「異常」が様々あります。
例えば、骨格的には「受け口」や「出っ歯」、お口の中では「歯の生え変わりの異常」や「かみ合わせの異常」などです。これらは8~10歳で明らかになり始めます。
この時期に、医療としての矯正治療を行うことで、将来の顔貌や歯並びに大きなアドバンテージを得られることがあります。
ですから、歯科先進国であるスウェーデンでは、子供の矯正治療にとても力を入れます。それは、科学的なデータを用いることで、最小限の治療で最大限の効果を狙う「スウェーデン式の矯正治療」の1つの特徴と言えます。
しかし、子供に行う矯正治療で、1つだけ、日本ではよく行われますが、スウェーデンでは全く行われない治療があります。それは、前歯のデコボコだけを直す「歯列拡大」です。
幼少期の子供の歯並びを歯列拡大で直しても、89%の確率で元に戻る、もしくは元よりも悪くなるという報告があります。
確かに、かみ合わせの異常を直すことを’目的’に、’手段’として前歯のデコボコを直すことはあります。しかし、前歯のデコボコだけを直すことが”目的”の治療は、成功率が約10%の質の低い治療でしかありません。(かみ合わせと歯並びは全く別の物です。不適切な矯正治療では、歯並びを直しても、かみ合わせが直っていないことがあります。)
昨今、子供の矯正、特に歯列拡大によるトラブルが後を絶ちません。お子様の矯正治療を安易に行わないように、どうぞご注意頂ければと思います。
※お子様の矯正に関するQ&Aがあります。こちらもご覧ください。