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スウェーデンで矯正専門医になるために(その3)

2016.02.09

さて、書類選考をクリアすると、次は現地に赴いての最終選考(面接、技能・筆記試験)を受けます。

イエテボリ大学

 

矯正専門医育成コースには、現地の「スウェーデン人枠」とスウェーデン人以外の「外国人枠」があります。外国人枠の最終選考には4人が残りましたが、その年はなんと『1枠』しか用意されておりませんでした・・・

 

心理学テストもあった、とてもユニークな最終選考でしたが、最大の難関は、「1時間の面接(interview)」です。面接官は、育成コース関係者3人と心理学者1人で構成されており、「私1人vs面接官4人」という恐ろしい構図です。人生で初めて受ける英語での面接でしたので、とても緊張しました。しかし、自分なりに最大限準備しておりましたので、自分の考えや思いはしっかりと伝えられたと言う達成感を、面接終盤に感じ始めたその時!

 

そんな私の言動や行動をずっと見ていた心理学者が、口を開き始めました。初日に受けた心理学テストと最終面接を総括した「禅問答」のような質問攻撃に会い、最後の最後で「気絶」しそうになりました・・・

 

しかし、私にとって「絶対に負けられない戦い」でしたので、頭をフル回転して対応しました。そして、最後の最後に「このディスカッションの続きは、合格後に取っておきましょう!」と言う私の言葉をもって、和やかな雰囲気の中で面接が終わったことを覚えています。今思うと、最終面接では、歯科に対する知識はもちろんですが、3年間の長いプログラムですので、人間性をかなり観察されたように思いました。

 

そして、たった1つの外国人枠への合格通知が届いたのは、その5日後のことでした。

合格通知

 

実は、最終選考の面接の日は、2011年3月11日で、東日本大震災の日でした。

スウェーデンのテレビニュースでその惨状を知り、かなりのショックを受けました。私は、祖国に対して何が出来るかを考えました。しかし、私には、日本人としてしっかりと勉強して、それを日本国民に還元する事しか思い浮かびませんでした。その思いが、私に勇気をくれたことを、いつまでも忘れないようにしたいと思います。

 

その4へ続く】

 

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