学校歯科検診の時期になりました

当院に通院する子ども達からも、「学校で歯科検診をうけたよ」と話を聞くようになりました。そこで今回は、スウェーデンの子ども達の歯科検診事情についてお話します

（近所の広場にあったブランコ） 

スウェーデンでは、スウェーデンで働いたり学んだりしている外国人とその家族に居住許可がおりると、個人番号（Personal number）が渡されます。この個人番号は、学校に通学する際も、病院にかかる際にもとても大切な番号であり、生活の全てに必要なものです。

このシステムに登録された２歳以上の子どもは、公的歯科医療機関（Folktandvarden）にて、歯科検診が国の管理下において「義務」で行われます

「何月何日の何時何分に、ここのクリニックに来てください」というお手紙で突然知らされます。このお手紙が、我が家にも突然やってきました

我が家では、「歯科検診のお知らせか～。歯科検診は毎日仕上げ磨きの時にしているから、行かなくても大丈夫だね～」と日々の忙しさからお手紙のことを忘れてしまっていました。

その後しばらくして、難しい内容の手紙が来ました。

内容は「あなたは、子どもの歯科検診に来なかったので、罰金を払いなさい」というものでした

慌てて、歯科検診を受ける指定を受けていたクリニック（Folktandvarden）に「私はイエテボリ大学病院で働く歯科医師です。子供の検診を私がしましたが、異常は見つかりませんでしたので、検診は受けなくても大丈夫です。」とメールをしました。しばらく返信がなかったため「よかった！これで大丈夫だね！」と話していました。

ところがある日、大学の上司から「もとい（院長の名前）！！何をしたんだ！？スウェーデンの裁判所から呼び出しがあったぞ！！」と話がありました。
何の事かわからず、ただビックリ

上司と話すと「スウェーデンでは、親が歯科医師で自宅で検診を行ったとしても、国が指定する子どもの歯科検診は必ずいかなくてはいけない。ただ歯科検診をしているのではなく、子どもが虐待を受けていないかなどをチェックする役割もある。親がこの義務を怠ると処罰を受けることになる」というものでした。

上司になんとか、これまでの事情を裁判所に説明してもらい、新しい検診の日程を組んで子どもを連れていき、罰金は払いましたが裁判所は免れました。それにしても、検診を断るだけで、罰金そして裁判所に呼び出しです　日本以上に、子ども達を国全体で見守ろうとしているように感じました。

我が家はこんな失敗がありましたが、日本でも様々な子ども達に関わる検診がありますね。
どうぞ、保護者の皆さまお忘れなく

石川（紀）